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戦神

 愚かだねお前達は
 言葉を接ぐのももったいないほど愚かだ


 神なんかいない?
 ならばこのぼくは何だと言うんだ

 目の前にある現実をろくに眺めようともせず、
 自分の小さな世界の中に森羅万象を当てはめようとするから
 そんな愚かな言葉が吐けるんだろう

 その節穴のような目を抉り取ってくれようか、
 そうしたらぼくの正体がわかるだろうから
 その飾りにもならない醜悪な頭をもぎ取ってくれようか、
 そうしたらぼくが何者なのか見えるだろう

 お前達はどうしてそんなに小さな世界を
 宇宙の全てなどと考えることができるんだ
 一番高い空も一番深い海も一番広い草原も一番熱い砂漠も知らず、
 どうして世界の全てを知っているような顔ができるんだ

 神なんかいない?
 そんなふざけたことを語る間に、
 目の前のものをもう一度きちんと眺めてみるといい


 ぼくはお前達を殺すことができる
 ただお前達を生かそうと積極的に考えているだけだ
 その意思の掛金を外してしまえば、
 お前達など一瞬も生きられはしないのだよ

 愚かで醜いおぞましいお前達を、
 ぼくは
 殺さないのではない
 生かそうとして やって いるんだ


 それが理解できない愚か者には、
 言葉ではなく行為として教えてあげようじゃあないか

 神の最後の慈悲としてね



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